Greeting

理事長挨拶

基礎と臨床が連携しながら
若手が楽しく高いレベルの研究を実践し
国内外に成果を発信する

渡部 徹郎

 2022年度から日本血管生物医学会理事長を拝命している東京医科歯科大学の渡部 徹郎と申します。理事長職も2年目となりましたが、中神 啓徳 副理事長・樋田 京子 副理事長ならびに役員の皆様のお力添えを頂きながら、これまでの本学会の良い部分をさらに伸ばしていければと考えています。 

 日本血管生物医学会には多くの良い部分がありますが、その中の一つが基礎系と臨床系の研究者がバランス良く連携している点だと思います。近年研究のアウトプットとして実用化や成果応用が強く求められておりますが、基礎研究の楽しさを臨床応用につなげて大きな社会的インパクトがある成果となる例が本学会において多く見られることは大変心強く感じています。今年も第31回日本血管生物医学会学術集会で多くの会員の皆様が活発なディスカッションをしてくださることを楽しみにしています。

 また、若手研究者の元気の良さは本学会の誇るべき点であり、若手研究会などで培った共同研究が高いレベルの血管研究につながっている点がこの学会の強みだと思います。これからは若手研究者にも学会の運営に積極的に参画して頂き、多くの会員が同じ世代の横のつながりを通じて日本血管生物医学会を自分のホームだと感じることができるような環境を醸成して頂ければと期待しています。

 さらに国際交流の活発さも日本血管生物医学会の強みだと思います。2023年9月14・15日にはアジア・オーストラリアにおける強い連携を基盤としたAsia-Australia Vascular Biology Meeting (AAVBM) がソウルで開催され、2024年7月2~5日には国際血管生物学会(IVBM) がアムステルダムで開催される予定です。コロナ禍も収束の兆しが見え始めてきており、様々な形で本学会の成果を国内外に発信していきたいと考えています。

 2022年度末においては、これまで学会を支えて来て頂いた5名の理事の先生方が理事職を離れ、名誉会員に就任されました。これまでのご尽力に心より感謝するとともに、今後ともご指導を頂けるようお願いいたします。また、2023年度からは新たに5名の先生方が理事職に、2名の先生方が監事職に就任して頂くことになりました。学会にとっても大きな転換点を迎えることになりましたので、今後の発展が楽しみです。日本血管生物医学会は、2024年には設立20周年注を迎えます。日本の血管生物医学を支え続け、そしてこれからも最先端の国際的研究者が集う場として、本学会のさらなる進化は世界の生命科学の発展にも必要不可欠であると考えています。学会の新たな取り組みとして公式Twitterなどを通じた発信などを通じて、より魅力的な学会となるように、若い会員の皆様からもご意見を頂きたいと考えております。

 研究を取り巻く厳しい環境や学会の財政など、様々な問題もありますが、会員の皆様のお世話になりつつ良い形で課題の解決に当たりたいと思います。微力ながら、尊敬する多くの先達によって作り上げられてきた本学会の更なる発展のために、全力を尽くします。どうぞご指導ご鞭撻の程、よろしくお願い致します。

令和5年4月1日

日本血管生物医学会理事長

渡部 徹郎

注:日本血管生物医学会は2004年4月1日に、前身の日本血管細胞学会(1993年設立)とVascular Medicine学会(1996年設立)が合併することで設立されました。

プライバシーポリシーCopyright©THE JAPANESE VASCULAR BIOLOGY AND MEDICINE ORGANIZATION.